Antec Logo
    My Antec Search
 
 

電源仕様、テスト、Antec TruePower。
~ 箱の裏に書かれた数字が意味するもの、そしてそれが気になる理由 ~

ハン・リウ
編集 デービット・タウエ、
デーヴィッド・フォースター


ほとんどの人はそんなことをしませんが、立ち止まって考えてみましょう。実際のところ、電源は、コンピュータにとって非常に重要なコンポーネントです。 すべてにつながっています。 過負荷がかかったり、正常に動作しないと、コンピュータが適切に動作する可能性が低下し、二度と起動しなくなる危険性が高まります。 エラーに対する許容範囲が狭いハイパフォーマンスコンピュータでは、とても現実的な問題です。

心配事が増えてしまいましたが、どうすればよいのでしょうか?

まず手始めに、この記事をお読みください。 それにより、将来予定されている記事に目を配ることができるようになるでしょう。

あらゆる電源について非常に重要な機能は、定常的な電力を供給することです。 その他にも重要な機能はありますが、この機能についての説明から始めましょう。

DC電圧調整

ATX電源は、出力領域内のあらゆる負荷の下で、(電圧調整制限内で)定常的な出力を供給しなくてはなりません。 Antecがユニットをテストする場合、最も重視するのがこの点です。

ATXフォームファクター電源は、次の6種類の出力で構成されます: +5VDC、+3.3VDC、+12VDC、-5VDC、-12VDCおよび+5V スタンバイ (SB)。Intelは、ATX12V電源設計ガイドで、電圧調整制限を定めています。 電圧調整制限:

出力
範囲
最小値
最大値
+5VDC
±5%
+4.75V
+5.25V
+12VDC
±5%
+11.40V
+12.60V
  -5VDC
±10%
-4.5V
-5.5V
-12VDC
±10%
-10.8V
-13.2V
+3.3VDC
±5%
+3.14V
+3.47V
+5V SB
±5%
+4.75V
+5.25V

これと比較して、AntecのTruePower電源は、より厳格な電圧調整が要求されるワークステーションまたはサーバー用に設計、製造されています。 通常許容されるのは、±3%以内の変動のみです。 Intelでは、+5V、+3.3V、+12Vおよび+5VSB出力については、±5%の制限を許容しており、 ±5% vs. -5Vおよび-12V出力については、±10%の制限を許容しています。

出力電圧調整制限 - TruePower vs. Intelの設計ガイド

DC
出力

範囲

最小値

最大値

TruePower

Intel

TruePower

Intel

TruePower

Intel

+5V

±3%

±5%

+4.85V

+4.75V

+5.15V

+5.25V

+12V

±3%

±5%

+11.64V

+11.40V

+12.36V

+12.60V

+3.3V

±3%

±5%

+3.20V

+3.14V

+3.40V

+3.47V

-5V

±5%

±10%

-4.75V

-4.50V

-5.25V

-5.50V

-12V

±5%

±10%

-11.40V

-10.80V

-12.60V

-13.20V

+5V SB

±3%

±5%

+4.85V

+4.75V

+5.15V

+5.25V


素晴らしいですね。 何が期待されているかがわかりました。 次に必要なのは、ATX電源が仕様を満たしているかどうかテストすることです。

電子負荷テスト

電子負荷テストマシンは、通常、いくつかのモジュールで構成されます。 各モジュールには、プログラムされた一定の電流を電源の各出力から同時に取り出し、各出力電圧の安定性をチェックする機能があります。

 

電子負荷テストマシンの例

AntecのTruePower電源のひとつを使用して、テストの実施方法について説明します。

モデル: True460 460W TruePower電源

A/C入力: 115V/230V
最大出力: +5V/36A、+12V/20A、-5V/0.5A、-12V/1A、+3.3V/28A、+5V SB/2A
最大電力: 430ワット
+5V、+3.3Vおよび+12V 最大出力: 410W

一般的なATX電源の特性のひとつは、いわゆる「+5Vおよび+3.3V合計最大出力」です。 この従来型の設計では、+5Vおよび+3.3V出力が同じ電圧出力回路を共有しており、一方の負荷が高まると、もう一方で使用可能な容量が低下します。 TruePowerでは、+5V、+12Vおよび+3.3V出力それぞれに専用出力回路を備えており、総合出力の最大値にのみ制約されます。 これにより、+5V、+12Vおよび+3.3Vの各出力において、フルレートの最大出力で電力を供給することができ、その場合の総合出力は最大410Wとなります。 (True430の総合最大出力は430ワットです。このとき、-5V、-12Vおよび-5VSBラインでは20Wが生成されます。)

準備

テストを実施する前に、電源の仕様に従って負荷マシンをプログラムする必要があります。 10%の負荷から始め、段階的に100%まで負荷を高めます。 その後、110%以上に負荷を高め、電源がどの程度の負荷を処理できるかを確認します。 電源の仕様に従って定格最大出力電流を入力し、各セルのテスト値を計算して、その数字を入力します。 結果は下記の通りです。

 

+5V

+12V

-5V

-12V

+3.3V

+5V SB

総合
理論的
出力(W)

負荷

A

V

A

V

A

V

A

V

A

V

A

V

定格

36.0

20.0

0.5

1.0

28.0

2.0

10%

3.5

2.0

0.5

1.0

3.0

2.0

73.65

25%

9.0

5.0

0.5

 

1.0

7.0

2.0

150.35

50%

18.0

10.0

0.5

1.0

14.0

2.0

278.45

75%

27.0

15.0

0.5

1.0

21.0

2.0

406.55

100%

36.0

11.5

0.5

1.0

28.0

2.0

432.65

100%

15.5

20.0

0.5

1.0

28.0

2.0

432.15

100%

30.0

15.0

0.5

1.0

24.0

2.0

431.45

110%

17.0

22.0

0.5

1.0

31.0

2.0

473.55

%


注記:

  • -5V、-12Vおよび+5V SBの最大出力電流は相対的に小さいため(それぞれ0.5A、1Aおよび2A)、これらの出力については、テスト全体を通じて最大電流でテストを実施しました。

  • 3つの負荷の組み合わせを計算し、電源の定格の100%まで負荷を高めました。 これは、様々な負荷条件の下で電源のテストを実施するためです。

テスト
各負荷テストの実施にあたって、数字を記録する前に、5分以上電源を動作させました。 電源にストレスを加えるため、100%の負荷で最大30分間電源を動作させました。

観察対象:
小型の家庭用電子負荷テストマシンを使用してこのテストを実施する場合、テスト中に各モジュールの電圧表示を観察します。 テストマシンには、小数点以下4桁の数字が表示されます。 これは、1万分の1ボルトを表します。 表示される数字を観察することで、出力電圧が定常的かどうかを判断することができます。 2桁目(100分の1ボルト)が変動する場合、出力の定常性は許容範囲内であると考えられます。 10分の1ボルトの桁が変動する場合は、電源は定常的とはいえません。

聴音対象:
静音電源かどうかを判断するには、ファンノイズを聞きます。 可変速温度制御ファンが搭載された電源は、この機能がない電源よりも静音です。

高音のブーンというノイズに注意して音を聞きます。 良質の電源であれば、大きなハム音はしないはずです。 負荷が高まるとブーンというノイズが大きくなる場合、設計またはコンポーネントに対して電源が過大評価されているか、電源の品質が低い可能性があります。

におい:
焦げたようなにおいや、過熱したようなにおいが生じるのは、悪い兆候です。 一般に、このようなにおいが生じる可能性があるのは、負荷を75%以上に高めた場合です。 低品質で、過大評価された電源では、高負荷時に発火したり、ヒューズが溶断する可能性があります。

触診対象:
排気ファンから吹き出す空気を手で確認します。 空気が暖かく、さらに温度が上がっている場合は、コンポーネントが非常に激しく動作していることを表します。 また、実行中の操作に関して過小評価されている可能性も表しています。 空気の温度が低いほど、電源が低温で動作しており、寿命および平均故障間隔(MTBF)が長くなると考えられます。

テスト結果

以下に示すのは、Antec True430に関する実際のテスト結果データです。 その他のTruePower電源の試験結果については、True330True380True480またはTrue550をクリックしてください。

青色の電圧読み取り値は、電子負荷マシンの表示を記録した数値です。 これらの値は、負荷条件の下での電圧出力です。

赤色の実際の総合出力は、計算された総合出力です(単位はワット)。

+5V +12V -5V -12V +3.3V +5V SB 計算された実際の出力 (W) 理論的な総合出力 (W)
負荷 A V A V A V A V A V A V
定格 36.0 20.0

0.5

1.0

28.0

2.0

10%

3.5

5.01

2.0

12.26

0.5

5.03

1.0

11.97

3.0

3.35

2.0

5.08

76.75

73.65

25%

9.0

4.98

5.0

12.24

0.5

5.06

1.0

12.00

7.0

3.32

2.0

5.05

153.89

150.35

50%

18.0

4.94

10.0

12.19

0.5

5.11

1.0

12.05

14.0

3.28

2.0

5.01

281.37

278.45

75%

27.0

4.89

15.0

12.14

0.5

5.16

1.0

12.11

21.0

3.23

2.0

4.96

406.57

406.55

100%

36.0

4.85

11.5

12.14

0.5

5.19

1.0

12.14

28.0

3.19

2.0

4.93

428.13

432.65

100%

15.5

4.89

20.0

12.13

0.5

5.17

1.0

12.12

28.0

3.21

2.0

4.95

432.88

432.15

100%

30.0

4.87

15.0

12.12

0.5

5.18

1.0

12.13

24.0

3.20

2.0

4.93

429.28

431.45

110%

17.0

4.93

22.0

12.12

0.5

5.15

1.0

12.10

31.0

3.25

2.0

4.97

475.82

473.55

116%

22.0

4.96

22.0

12.06

0.5

5.16

1.0

12.13

31.0

3.23

2.0

4.94

499.16

500.80

特別な注記: Antecでは、例外なしに、電源に定格以上の負荷を加えることはお勧めしません。 Antecでは、例外なしに、電源の定格容量を超える負荷が加えられた場合に電源が仕様の範囲内で動作することを保証しません。 Antecでは、Antec製機器の定格容量の範囲外での使用、またはAntecの推奨および要件に反する使用の結果について、一切責任を負いません。 Antec電源に定格を超える負荷を加えた場合、メーカー保証は無効となります。 以上の警告について、ご了承ください。 上記のテスト結果は、テスト対象のユニットに関するものであり、参考までに公表するものです。 この実験の追試を行う場合、またはその他の理由でAntec製品を定格容量の範囲外で使用する場合、完全にご自身のリスクで行ってください。

電圧調整 青色の実際の出力電圧を、Intelの電圧調整制限と比較します。 それぞれの値は、仕様の制限内になくてはなりません。 (+5V、+3.3V、+12Vおよび+5VSBで±5%制限、 -5Vおよび-12Vで±10%制限) 電圧調整制限を超える電源を使用すると、コンピュータのクラッシュまたは起動不能の原因となり、一部または全部の部品が損傷する可能性があります。また、これらの部品の耐用寿命はほぼ確実に短くなります。

True430は、+5V、+3.3V、+12Vおよび+5VSBで±3%というサーバーおよびワークステーション用に設計、製造されています。 (-5Vおよび-12Vで±5%) この電源は、期待されている条件を満たすことが確認されました。

True430の設計には、電源の安定性を向上させる2つの機能が盛り込まれています。

  1. 独立した専用電圧回路。 +5V、+3.3Vおよび+12Vの出力ごとに独立した専用の回路を搭載することで、ライン間で干渉することなく定格最大出力を出力することができ、電圧調整の安定性を正電圧側で+/-±3%、負電圧側で+/-±5%へと向上させることができます。

  2. 個別の+5V、+3.3Vおよび+12V電圧帰還回路。 各回路は、出力端における電圧の変化を検出し、電流がワイヤーを伝導する際の電圧損失を補償するよう設計されています。 これにより、この機能がない電源よりも、安定性の高い出力が可能となっています。

実際の総合出力電力。 実際の総合出力ワット数を計算し、電源が定格通りに動作することを確認することができます(実際に確認しました)。 (実際に計算してみたい方は、電力(ワット) = 電圧 x 電流 (アンペア)の式を用いて計算してください。)

たとえば、実際の総合出力ワット数 =

(4.89V x 15.5A) + (12.13V x 20A) + (5.17V x 0.5A) + (12.12V x 1A) + (3.21V x 28A) + (4.95V x 2A)
= 432.88ワット

True430の最大電力は定格430Wであり、すべての出力が指定された設計の制限範囲内にあるため、この電源はメーカーの仕様を満たしています。

最大電力(連続出力) 最大電力の定格とピーク電力の定格を混同しないでください。 ピーク電力は、電源が少なくとも15ミリ秒(1000分の15秒、または瞬きよりも短い時間)出力可能な最大電力です。 実際のPCユーザーにとっては、実質的な意味を持たない値です。 必ず、最大電力の仕様を確認して、使用してください。

良質の電源は、最小負荷条件の下でレギュレーション内で動作しなくてはなりません。 弊社では、通常、最大(連続)負荷条件で少なくとも30分以上電源を動作させています。 過大評価された電源は、最大負荷時に数秒で破損することがわかっています。

責任およびMTBF 電源を設計する場合、弊社では、オーバーランしないように実際の最大電力よりも低く評価しています。 常に最大電力で動作している電源の寿命は短くなります。 最高時速180マイルの自動車について考えると、そのような最高速度が出せるからと言って、サンフランシスコからシカゴまでそのスピードで運転しようとは思わないでしょう。

テスト中、弊社では負荷を100%から110%に高め、さらに30分間動作させました。 弊社では、このようなことを試してみることはお勧めしません。また、Antec製機器の定格容量の範囲外での使用、またはAntecの推奨および要件に反する使用の結果について、一切責任を負いません。 テストの結果、True430は問題なく110%負荷テストにパスしました。 その後、さらに段階的に負荷を高め、電源がレギュレーションの範囲外となるポイントを確認しました。 True430電源の場合、出力がレギュレーションの範囲外となる前に定格の116%の負荷に達しました。 これは、499.16ワットの連続出力となります。

結論

電源は、その他のテストにもパスするよう設計しなくてはなりません。 そのような試験では、異なる機器および手法が必要であり、これらについては今後の記事で取り扱う機会があるかもしれません。

現在のところ、上記の結果が参考になれば幸いです。 電子負荷テスト機器をお持ちでない場合でも、60,000マイルチェック中の場合であっても、家庭またはオフィスのコンピュータに差し迫った障害の兆候があれば、見つけることができるでしょう。

電源からの排気は非常に暖かいですか? 熱いですか? 過熱または焦げたにおいがしませんか? これらの質問のいずれかの答えが「はい」の場合、電源の品質が低いか、障害が発生しつつある可能性があります。 電源が高品質な場合でも、過負荷がかかっていれば、寿命が短くなります。 電源に障害が発生すれば、その他のコンポーネントにどのような影響が生じるかわからないため、障害が発生する前に対策を講じ、より高品質または大容量の電源に交換したほうがよいかもしれません。

 

Back to Articles

 

 
利用規約サイトマップ Copyright